沿革・歴史

沿革・歴史

1965年4月1日 東洋学文献センター開設

 センターは京都大学人文科学研究所の附属施設として、1965年4月1日に開設された。東洋学に関する文献・資料を収集・整理して研究者の共同利用に供すること、および東洋学に関する学術情報活動を活発に行なうことがその創立の目的である。これよりさき、日本学術会議は、自分・社会科学を振興する一方策として、各専門分野における学術資料を完全に収集し、それを研究者の共同利用に供するというドキュメンテーション・センターの構想を政府に勧告した。文部省はその要請にこたえ、「人文社会科学専門文献センター案」を作ってその実現化をはかり、1966年度までに全国に5つの文献センターが設置された。本センターもその一環として発足したものである。35年に及ぶ中国学研究の伝統と漢籍所蔵量の多さに着目されたわけである。(『人文科学研究所50年』より抜粋)

2000年4月1日 漢字情報研究センターへの改組

 厖大な量の歴史資料・文献のデジタル化が急速に進み、人文諸科学の性格さえ変わりつつある欧米に比べると、東洋学文献センターが共同利用に供する資料の中核たる漢字文献の場合、そのデジタル化は著しく立ち後れていると言わざるを得ない。この情況は、漢字によって受け継がれてきた文化にとって、その将来を左右する大きな問題であり、当然のことながら、東洋学に関する学術情報活動の拠点たる同センターにおいても、その担うべき役割について再検討を迫られることとなった。 漢字文献の公開およびその国際的情報交換を円滑に行うためには、現行のコード系に依存しない大量の漢字の利用を可能にし、学術的に適正な漢字管理システムを早急に開発する必要がある。そのためには、漢字に関する専門的知識を有し、漢字文献を正しく読み解くことのできる研究者のみならず、漢字の属性を踏まえた漢字文献データベースの高度化を実現し得る情報工学系の研究者をスタッフに加えることも不可欠である。 以上のような見地に基づいて、東洋学文献センターを漢字文献の国際的情報交換の拠点にふさわしい組織に拡大改組することとなり、教授2・助教授2・助手2に教官定員が増強され、2000年4月、漢字情報研究センターとして新たなスタートを切るに至った。(『人文科学研究のフロンティア』2001年より抜粋)

2009年4月 東アジア人文情報学研究センターに改組

 その後、研究資料のデジタル化はさらに進展し、従来型の文献資料学は、IT技術を取り込んだ人文情報学に変容しようとしている。そこで、2009年4月に、東アジア人文情報学研究センターに改組し、人文学と情報学の融合による総合的な文献・情報センターを目指すことにした。